大学生バイト実態深刻 愛媛大生アンケート
割増賃金なく深夜まで働き、サービス残業も―。大学生のアルバイトの実態について、愛媛大教育学部家政教育講座の学生が16日までに、同大の学生にアンケートした結果をまとめた。労働基準法(労基法)に抵触する恐れのある職場が少なくない現状が浮かんだ。
調査したのは4年生小倉一哲さん(22)。労働問題を扱う同講座の藤田昌子准教授のアドバイスを受け、6月から卒論テーマに設定した。191人中約8割に当たる157人が「バイトをしている」と答え、労働環境などを調べた。
労基法は、午後10時以降の労働に25%以上の割増賃金を規定している。アンケートでは約4割が平日午後10時以降働いていると回答したが、64.8%が法定の割増率を受け取っておらず、50.5%は割り増しが全くないと答えた。
時給を1分単位で計算する規定通りの賃金を受けているのはわずか2.8%。
職場の疑問を記述する欄には「前後にミーティングがあっても賃金は仕事時間分だけ」「シフトを代わると給料がカットされる」などの声があった。「何も言えない」「我慢する」とする学生が多かった。