愛媛県松山市は、少額の掛け金で交通事故の補償を受けられ、40年以上続いてきた市民交通傷害保険事業を2015年3月末で廃止する方針を決め、11日開会の12月定例議会に廃止条例案を提出した。加入率が4%前後に低迷しており、市は「民間損害保険の充実が背景にあると考えられ、事業の役割を終えた」と説明している。
 市市民相談課によると、加入対象は市民や市内への通勤・通学者で、現在の保険料は年1口900円で、1人2口まで加入できる。交通事故の治療期間に応じ5000~12万円、死亡・後遺障害の場合は100万円の保険金が支払われる。
 13年度は約2万3000人が加入。市民の加入率は4.5%で、60歳以上が7割弱を占めている。保険料収入約2212万円に対し、保険金支払額は約1612万円だった。