木材を交差するように積み重ねた直交集成板「クロス・ラミネーテッド・ティンバー」(CLT)に関する研修会が27日、愛媛県松山市中野町の県森林組合連合会木材流通センターであり、東京大の安藤直人特任教授(木質構造学)が産業化に向けた課題を紹介し「建築段階でのノウハウ蓄積が必要」と訴えた。
 県内生産の可能性を模索している県CLT普及協議会(会長・井関和彦県木材協会長)が主催。製材業者や林業関係者ら約70人が出席した。
 CLTは木材の向きが層ごとに異なり、強度が高く構造材の役割を果たす。欧州では中高層建築物などで普及が進んでいるが、国内では構造材としての利用は未認可。林野庁などは実用化に必要な基準強度や設計法の2016年度の告示を目指しており、県林業研究センター(久万高原町)などと連携して性能測定を進めている。