父親が遺した小麦畑と葡萄の樹のそばで、
兄のアオはワインをつくり、
ひとまわり年の離れた弟のロクは小麦を育てている。

かつて東京へ出たアオは夢破れて故郷に戻り、
“黒いダイヤ”と呼ばれる葡萄ピノ・ノワールの醸造に励んでいるが、
なかなか理想のワインはできない。

そんなある日、キャンピングカーに乗ったひとりの旅人が、
突然ふたりの目の前に現れた。

エリカと名乗る不思議な輝きを放つ彼女は、
アオとロクの静かな生活に、新しい風を吹き込んでいく・・・